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大阪市立美術館「天平礼賛-高遠なる理想の美-」、中之島香雪美術館「聖徳太子-時空をつなぐものがたり-」鑑賞記

大阪市立美術館
 特別展 天平礼賛-高遠なる理想の美-
(10月27日~12月13日)

 天平時代の資料を博捜し、天平文化受容とその古典化・理想化の諸相を中世から現代までオムニバス的に紹介。展覧会のメインとなる資料として作風・法量の釣り合う兵庫・金蔵寺阿弥陀如来坐像と神奈川・龍華寺菩薩坐像を初めて並べる。金蔵寺像の旧所在が、同館に近い摂津国分寺(及び神呪寺)であった可能性があり、両像の天王寺での邂逅は地域史という観点においても重要。ほか巷間に伝わる天平時代の仏像断片類、正倉院裂、古筆の手鑑類を多数集約して、資料の伝存そのものが、上代文化への憧憬に基づくことを提示。近代期の天平文化の理想化と古典化を示す「天平幻想」の章は、そのままボリュームアップして細分化し一つの展覧会にしてもよいもの。図録あり(220ページ、2000円)。

中之島香雪美術館
 特別展 聖徳太子-時空をつなぐものがたり-
(10月31日~12月13日)

 同館所蔵の絹本著色聖徳太子像と絹本著色聖徳太子絵伝の修理完成を記念して、そのお披露目とともに調査研究の成果を紹介。香雪美術館本の聖徳太子絵伝3幅とボストン美術館本5幅が本来一具でもと住吉家に伝来しフェノロサに譲られたこと、ボストン本は集古十種に載るが香雪本は載らないこと、全9幅のうち1幅は失われ(焼失か)、他の幅の修理用の補絹に部分的に使われている可能性があることなど、近代期における伝来の様相を精緻に積み上げるとともに、同じ図様に基づく愛知県・本證寺本を並べて共通点・相違点を比較して、香雪本の学術的価値を自ら高める。またあわせて、聖徳太子1400年遠忌を来年に控えて、四天王寺細字法華経と法華経蒔絵経箱など、太子信仰と太子慶讃の資料も紹介。修理に関する情報もパネルにて極めて詳細に紹介。図録あり(224ページ、2600円)。出陳品以外の参考資料も多数掲載
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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