業務の合間に立ち寄る。
12月10日
奈良国立博物館
特別陳列 おん祭と春日信仰の美術-特集 神鹿の造形-
(12月8日~1月17日)
恒例おん祭展。田楽能で使用された能面は初見。尉面は堅実な出来映えで、女面はやや面長で個性的。ともに中世風を残す。神鹿を表した資料に着目し、館蔵の春日鹿曼荼羅(重文)を始め春日講で用いられた春日鹿曼荼羅をずらりと集める。画風から多くは南都絵所の作と推定。春日名号曼荼羅は白鹿がたたずむ松樹に藤がからみ、その蔦がうねって「南無春日明神」の名号を表す墨絵の珍しい一幅。さまざまな記号が重なった神の奇瑞の発露と見たいところだが、そういえるのかどうか…。不思議な絵。櫟屋絵師の制作の可能性を推定。図録あり(80ページ、1500円)。名品展では、東大寺倶舎曼荼羅(国宝)、法華寺阿弥陀三尊および童子像(国宝)出陳。
12月15日
龍谷ミュージアム
企画展 ほとけと神々大集合-岡山・宗教美術の名宝
(11月21日~12月27日、1月6日~1月24日)
岡山県立博物館の改修工事にあわせて同館に寄託された収蔵資料を、密教美術、神仏習合の美術の2章に分けて紹介。瀬戸内市寶光寺両界曼荼羅(重文)、美作市長福寺不動明王八大童子像(重文)、十二天像(重文)、津山市高野神社板絵女神像、獅子(重文)、岡山市西大寺の西大寺縁起(永正本・寛文本・延宝本・貞享本・享保本が勢揃い)、岡山市吉備津神社神官家伝来の女神坐像2軀、真庭市福田神社の舞楽面、赤磐市熊野神社の宋風の石造獅子などなど、岡山の宗教美術の精華を一堂に展示。眼と口を顰めて顎を突き出した独特の風貌で神像研究上注目される宇南寺男神坐像は、両体側と背面に記された梵字(後補)の赤外線写真を配置し、光明真言と薬師小咒の可能性を提示(図録コラム)。本像安置の場を考える材料となるか。図録あり(96ページ、1800円)。
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