帝塚山大学で受け持っている博物館経営論で、大阪人権博物館が閉館に至った非道な事例を紹介した週に、受講生に「もし「博物館なんていらない、全部なくしたらいい」と言われたら、どのように答えますか。」というアンケートに応えてもらいました。設問は極論のようではありますが、あらゆる博物館が常に社会の中における存在理由を問われ、それに応えながら活動しています。現代社会が直面するさまざまな問題を考えるための、一つの手がかりとするために、共有します。(※回答の五十音順に表記)
・あなたにとっては必要ないだけ。自分のものさしだけで物事の必要性を測らないでください。と、答えます。
・「あなたは子供たちの教育の場である博物館を消すおつもりですか」と言います。
・一度あなたの好きな分野の博物館を覗いてみてください。いろんなことを知ることは人生が豊かになり、生きる力になります。
・今ある物や前からある物を保護することや伝えることは出来るけれど、失ったものは保護することも伝えることも難しいから必要。
・ではどうやって歴史的遺産について学びますか?
・何事にもメリット、デメリットがあると思います。一つの概念を全て変更する・消す事はこのメリットとデメリットが非常に大きいです。「いらない」や「全てなくせばいい」といった根拠の乏しい理由ではなく、博物館に勤めている人の視点も踏まえた上で納得のいく説明ができることが求められるのではないでしょうか。
・日本の文化や歴史を感じられる場所の一つとしての役割を果たす博物館をなくしてしまっては、日本人が文化や歴史を知る機会が少なくなるうえ、世界の人が実際に日本の歴史や文化に触れることができる機会の一つを奪ってしまうことになってしまうのではないでしょうか。
・博物館が無くなってしまうと知識や教養を得る場所が無くなってしまうから。
・博物館で働いている人たちは、その仕事が好きでやりがいを感じている。また、展示品を見るのが好きで博物館に足を運ぶ人々もいる。そのような人たちの意見も尊重してほしいと答え、全国の人々に目に入る形で博物館の良さを伝えていく。
・博物館は世界の重要な遺産を守り、国民に展示して娯楽と知識を与える機関であるので、全部なくすなんていう考えはありえません。
・博物館は必要です。博物館には教育上の役割があり、教育や文化の普及、貴重な学術資料などの保存し、一般に展示して相互理解を増進しています。よって体制を変化させたとしても全てなくしてはいけないと考えています。
・博物館を全部なくすということは、全く考えられない。博物館は人類の宝(財産)、文化遺産を取り扱う特別な場所である。もし、日本国内で国公立の博物館がすべて閉鎖するとすれば、民間の博物館へ委託するか、クラウドファンディング等の活用で新しい博物館を建設して文化財保護のため博物館を建設すべきである。それでも日本国内で全ての博物館が運営不可の政策になれば、文化財保護と日本文化普及のために、海外の博物館での保管等も検討すべきである。海外の展示になれば、実物を鑑賞することは難しいが、インターネットの普及により、自宅のパソコン等を利用した鑑賞や、学習することが出来る。博物館をなくすことは反対であるが、そうなった場合の対策をとるべきであると考える。
・博物館を無くせばいいという考えが、正当な理由に基づいてなのかあるいは単に自分が興味ないからという個人感情なのかによって答えは変わると思いますが、博物館が無くなれば地域の歴史や文化を学ぶ機会が減り、国宝や重文など貴重なものを見る機会も大幅に減ってしまいます。日本の未来のことを考えるなら無くすのではなく共に考えていくのが重要ではないかと思いました。
・短く話すなら、博物館はいる。無くす必要性が感じられないと答えます。安直な答えですが、作品その物には罪はないので。
・もしも博物館が無くなってしまえば、今の時代に遺されたものが大勢の人の目に触れる機会が無くなってしまいます。先人たちが積み上げてきたものの証である展示物の数々が本の中だけの存在になってしまい、子供達がそれを直接見て学ぶことができなくなってしまうので、博物館は残した方がいいと思います。
・四字熟語に温故知新という言葉があり、意味は古いことを学ぶことによって新しい知識を得ることができる、である。博物館に行くことによって新しい知識を得られるかもしれない。
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