高月観音の里歴史民俗資料館
特別陳列 子どもと川で遊んだホトケたち 西黒田・安念寺の「いも観音さん」
(5月12日~7月19日) 延長された会期最終日に滑り込む。黒田安念寺の「いも観音」と通称される大きく朽損した平安時代の仏像群10軀を展示。クラウドファンディングを活用した安置堂宇の修理期間中の特別公開。9世紀ごろの菩薩立像、10世紀の如来立像・菩薩立像(本尊像)、10~11世紀の如来立像2軀、11~12世紀の如来立像・天部立像、破損甚大な像3軀からなり、かつてはさらに7軀あったが盗難被害を受け所在不明。当地において平安時代を通じて伽藍が拡大、維持されてきたことを偲ばせる仏像群であり、未指定であるが地域の仏像様式を考える上で、また地域の歴史を考える上で重要な作例。クラウドファンディングを利用した経緯についての説明パネルも設置して、展示がいかに構築されたかを共有化していることも重要。図録なし。
鑑賞後、安念寺の現地も訪れ、ちょうど草刈り作業中の地区住民の方にお声がけしてお参りさせてもらう。堂改修は最終段階で、来月仏像をお戻しして落慶式催行とのこと。地域の人びとが守り伝えたお堂と仏像を、行政とサポート役(對。馬佳菜子さん〔観音ガール〕)が連携しながら全国の方々と繋ぎ、そして支える「長浜方式」の文化財保全活動の実践であり、注目される重要な取り組み。
長浜市長浜城歴史博物館
企画展 藤岡和泉-ユネスコ無形文化遺産・長浜曳山祭を造った大工のすべて-
(6月12日~7月31日) 長浜城下で江戸時代から現代まで活動した大工・藤岡家に伝わった大工資料を通じて、歴代棟梁の仕事を編年的に通覧する。展示されている建物や仏壇の縮小完成図やその細部の絵様、刀掛けから前机など細々とした什器の絵図面まで、その膨大な指図の数々は、平面に筆書きされたものであるにも関わらず、堂舎や社殿、仏壇仏具、そしてなにより絢爛豪華な曳山までをも手がけた宮大工のダイナミックかつ堅実な仕事の足跡が、展示室内に「立体的」に立ち上がる。図録あり(76頁、1400円)。曳山博物館でも同時開催(うっかり気づかず見逃してしまい残念)。
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