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東京国立博物館「最澄と天台宗のすべて」「浅草寺のみほとけ」、東京長浜観音堂「聖観音立像」鑑賞記

11月19日
東京国立博物館
 特別展 最澄と天台宗のすべて
(10月12日~11月21日)

 東京・九州・京都の国立博物館連携による伝教大師1200年大遠忌記念展の第一会場。最澄関係資料はもとより、天台教学の継承と展開、そしてその表象としての美術作品を多数集めて展観。祖師像では観音寺伝教大師坐像、園城寺智証大師坐像(御骨大師)、輪王寺慈眼大師坐像、そしてなんといっても像高2mの深大寺慈恵大師坐像の大迫力。拝するものを畏怖させる迫真的な風貌は、唇がわずかに開かれ像内に貫通していて、微音の真言が聞こえてくるかのよう。法界寺薬師如来立像、伊崎寺不動明王坐像、願興寺薬師如来坐像、法用寺金剛力士立像、明王寺聖観音立像、寛永寺薬師如来及び両脇侍立像など、全国天台宗寺院の仏像をありがたく鑑賞。図録あり(416ページ、3000円)。3館共通で他会場の出陳資料も把握。九博が来年2月8日~3月21日、京博が4月12日~5月22日。

 特集 浅草寺のみほとけ
(9月28日~12月19日)

 天台展と連動して、円仁中興と伝えられる天台宗寺院浅草寺の仏像を紹介。唐~五代十国時代の僧形坐像は、瞳に練物を嵌入した目には笑みを浮かべ、頬にえくぼもあらわした青年僧。昭和13年の売立目録に載り、昭和53年に寺に長野幸彦氏から奉納されたものと判明。鎌倉時代の大仏殿様四天王立像も同氏奉納品。室町時代の阿弥陀如来坐像は、その個性的な風貌の特徴などから、室町時代の奈良仏師、椿井次郎作と推定して公開。同意。リーフレットあり(無料、8ページ)。

東京長浜観音堂
 聖観音立像(長浜市余呉町川並 地蔵堂蔵)
(11月17日~1月10日)

 東京駅近くのビル4階の小さな1室に、来年2月27日までの期間で設営されている東京長浜観音堂の第3期展示。川並集落地蔵堂より出開張の観音像は、厚みが薄く、穏やかで円満な平安時代後期の典型的な作風で、天冠台から地髪部へと彫り窪める表現など古像の影響を受けたところも見うけられる。比叡山文化圏の薫風を林立するビル群と雑踏の中に漂わせる、施設内外のギャップが心地よい別天地のような空間作りは、前施設(びわ湖長浜KANNON HOUSE)以来の長浜方式。資料解説カードあり。
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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