12月11日
神奈川県立金沢文庫
特別展 密教相承-称名寺長老の法脈-
(12月3日~1月23日) 国宝称名寺聖教中の密教資料を活用して、真言僧の法脈伝授のようすを紹介する。西院流、勧修寺流、三宝院流の伝法灌頂図は、それぞれ壇の位置や方向、十二天の配列さえも異なって複雑で、流派ごとの違いが一目瞭然。三宝院流の伝法灌頂に関する灌頂受者日記は堂内荘厳や阿闍梨への謝金などを受者たちで応分して用意していることが分かる史料。負担のないもの、受者でないのに負担しているものも混じっていてリアル。益性起請文は、流派の秘法を受けた受者は臨終に際して作法や口伝を記したものを返さないといけないところ、懇望に折れていくつかの聖教を他者に伝授するのを許可した置文。などなど、どれをとっても難解ではあるけれど、法脈伝授の種々相を具体的に史料を通じて提示するという、金沢文庫でしかなしえない意欲的な展示。図録あり(112ページ、2000円)。
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