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玉稿頂戴しました(20080815)


「本稿は錦織寺像の紹介を兼ねながら、額上髪の花飾りの表現が「莎髪」を表象するものであったことに着目し論を進めた。この「莎髪」は本来、「莎髻」の誤写誤読の過程で出現をみたものであったと考えるが、その意味するところも不動明王の頭頂にあらわされた髻に限定されるものではなく、その後、頭髪そのものを指すと理解され、十世紀末頃までには不動明王造像に際してのひとつの事相にまで深化し、あわせて造形への反映は「玄朝筆様」を嚆矢として、以後、十一世紀における不動明王彫像の頭髪に文字通り花を添えることとなったといえよう。」(津田2008-2、75頁)
1、津田徹英「統一新羅時代の八大明王像をめぐって」(朴亨國『韓国の浮彫形態の仏教集合尊像(四仏・五大明王・四天王・八部衆)に関する総合調査』(平成16年度?平成18年度科学研究費補助金(基盤研究(B))海外学術研究成果報告書・2008年3月)所収)
2、津田徹英「滋賀・錦織寺不動明王立像の周辺―不動明王彫像の額上髪にあらわれた花飾りへのまなざし―」(『佛教藝術』299、2008年7月)

 上記2篇を頂戴致しました。ありがとうございます。錦織寺不動の論考、聖教類の精緻な読み込みから、不動明王額上の花飾意匠を含む髪型が「莎髪」と見なしうるとする論旨は、全く想像していなかったものだけに新鮮な思いで拝読しました。新しい髪飾り表現の出現に僧侶の思想的な操作があったことを確認して、同様のことが他にもありそうだと好奇心が湧いてきました。

【観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―】
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大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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