4月27日
奈良国立博物館
特別展 大安寺のすべて-天平のみほとけと祈り-
(4月23日~6月19日) 大安寺1300年の歴史と文化を、奈良時代彫像と多数の考古資料による古代寺院の姿、著名な霊験像たる大安寺釈迦像への追憶、大安寺に関わる古代の高僧、中世大和における大安寺の位置づけにテーマを分けて紹介。同寺伝来の9軀の奈良時代彫像が全て四囲より観賞できる貴重な機会であり、その中でも秘仏本尊十一面観音立像は、頭部を江戸時代の後補とするものの、請来檀像を彷彿とさせる諸表現とともに、誇張のない自然な抑揚の肉身表現の中に、腰を捻って左大腿部を前へ出す動きを的確に表し、立体表現として際だった完成度を示す。四天王立像のうち伝持国天立像も緊張感にあふれた造形。眼福。ほか、展示文脈構築にあたり、長谷寺法華説相図、奈良博刺繍釈迦如来説法図(前期)、東大寺倶舎曼荼羅(後期)、岡寺義淵僧正坐像、文化庁虚空蔵菩薩坐像、薬師寺八幡三神坐像、西大寺金銅透彫舎利容器といった奈良博所蔵・寄託資料の名品を有効に活用しつつ、神護寺釈迦如来像(赤釈迦・後期)、西住寺宝誌和尚立像、神応寺行教律師坐像、永興寺四天王立像など、大安寺との意外な接点を有する資料も集め、展覧会名からの想像を超えるバラエティに富んだ内容。必見。図録あり(224ページ、2500円)。
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