観峰館
企画展 隠元隆琦350年遠諱 黄檗インパクト
(4月16日~6月12日) 隠元隆琦350年遠諱にあわせ、黄檗宗・臨済宗寺院伝来の書画を中心に黄檗文化の表象を紹介。頂相では、萬福寺費隠通容像(自讃・張琦筆)、小松寺隠元隆琦像(自讃・喜多道矩筆)、木庵性瑫像(自賛・喜多道矩筆)、鉄眼道光像(月潭道澄讃)、正明寺龍渓性潜像(即非如一讃・喜多元規筆)、正法寺如雪文巌像(自賛・木村徳栄筆)、照山元瑶像(自讃)などずらりと並んで壮観。黄檗禅のインパクトが顕著に及んだ近世画人の作品として、隠元の書にのちに鶴亭の群鶴図を合わせた萬福寺の八十自祝偈、曹源寺の葛蛇玉筆鯉魚図、細見美術館の伊藤若冲筆瓢箪・牡丹図、円満寺の小原慶雲筆涅槃図、正明寺の蘭渓若芝筆十八羅漢図など紹介。萬年寺の蘭谷元定作観音菩薩立像は堅実な黄檗彫刻で像背面に「僧蘭谷定」の白文方印を刻出するもの。リーフレット(8ページ)あり。黄檗禅の資料をまとまって見られる貴重な機会であることに留まらず、書画を切り口に東近江地域の文化財を公開・共有する地域密着型の展示となっており、同館の公益性を高める重要な展示活動。
栗東歴史民俗博物館
隠元禅師350年大遠諱記念展 黄檗の華
(5月21日~7月3日) 隠元隆琦350年遠諱にあわせ、栗東市内の黄檗宗寺院伝来の文化財を中心に黄檗文化の表象を紹介。萬年寺から隠元隆琦像(自讃・喜多長兵衛筆)、木庵性瑫像(自賛)、慧極道明像(自賛)など頂相や、黄檗様式の布袋坐像、蘭谷元定刻出の観音菩薩立像、慧極道明の墨蹟など多数出陳。萬年寺の観音菩薩立像(鎌倉時代)や円光寺の薬師三尊像(室町時代)など、黄檗転宗以前の寺院史を伝える資料も紹介。近江における黄檗寺院の調査研究をリードしてきた同館ならではのバラエティに富んだ堅実な展示内容。図録ないが、1992年の特別展「近江と黄檗宗の美術」図録(96ページ)は観峰館展示資料も含めてカバーする重要な参考資料となるもの。
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