「本稿では、仏師定慶の代表作である二躯の菩薩像について、はじめに、その成立要因を改めて問い直し、次いで、これまで両像の影響下にあると想定されてきたいわゆる「定慶様菩薩像」との具体的な比較を行ってきた。その結果、定慶の菩薩像とは異なる規範が存在した可能性が導き出されることとなり、運慶晩年期の菩薩像がそれにもっともふさわしいと考えられた。」(山口2008、106頁)
山口隆介「定慶様菩薩像の再検討」(『佛教藝術』299、2008・7)
ありがとうございました。定慶作品に特徴的ないわゆる「宋風」のプロトタイプが運慶晩年の様式にありうることを示す論理展開、違和感なく拝読しました。興福寺南円堂四天王像を正しく評価する基準点も得られたように思います。
【観仏三昧―仏像と文化財の情報ページ―】
スポンサーサイト
- http://kanbutuzanmai.blog66.fc2.com/tb.php/95-db87cc27
トラックバック
コメントの投稿