いろんな業務でてんてこ舞いのこの2週間ほどの間に訪れた展覧会をまとめ出し。見学実習の講義とか研究会の用務とかAO入試のついでにとか学生連れての調査のついでにとか、忙しいからこそ短時間でも展示見る機会をくっつけて日々を生きるモチベーションとしております。
10月15日
有田市郷土資料館
企画展 魅惑の初島 流転のみほとけたち
(9月23日~11月26日) 有田市内初島地区の寺院に伝わる仏像や縁起、古文書、経典類から、それぞれの伝来や寺院の変遷をたどり紹介する。正善寺の平安時代の天部形立像や室町時代ごろの十王像、新発見の正善寺縁起、地域から市に託された館蔵の西福寺文書のうち多数の中世文書、上自治会の平安時代に遡る薬師如来坐像や大日如来坐像など、これまで知られていなかった重要資料から地域の宗教文化を浮かび上がらせる。会期中の10月1日と11月18日に正善寺現地の収蔵庫で康平5年(1062)銘大日如来坐像(重要文化財)を企画に連動して公開するのもすばらしい取り組み。図録無し。
10月17日
京都国立博物館
特別展 東福寺
(10月7日~12月3日) 臨済禅の古刹東福寺の歴史と寺宝を一堂仁紹介する。開山の円爾像をはじめ多数の高僧の頂相やゆかりの品、墨蹟など、継承された法灯のあかしを核にして、明兆の五百羅漢図や宋元仏画、旧本尊の巨大仏手、迦葉・阿難立像(鎌倉時代)、二天立像(鎌倉時代)など巨像も配置し、巨刹の偉容をも展示室内に立ち上げる。書蹟の部屋の無準師範の優れた禅院額字幷牌字が並ぶ空間に心震える。密かにまねする大好きな書風。図録あり(392ページ、3300円)。
大谷大学博物館
特別展 宗祖親鸞聖人誕生850年・立教開宗800年記念 古典籍の魅力 2023
(10月10日~11月28日) 東本願寺学寮の資料を引き継ぐ大谷大学博物館収蔵の古典籍・経典・古文書類の優品を軸に、関連資料をも他機関等から集めて展観。前期・後期で大幅展示替え。前期は宋拓多数、大谷本と京博本の春記、後白河院庁下文(重文)、真宗大谷派顕浄土真実教行証文類(坂東本・国宝)ほか親鸞真筆多数。後期(11/7~)は奈良博親鸞聖人像(熊皮御影・国宝)、湯浅景基寄進状(重文)、京博明恵上人夢記(重文)、三教指帰注集(重文)、高野雑筆集(重文)など。図録あり(88ページ、2000円)。
10月21日
元興寺法輪館
特別展 菅原遺跡と大僧正行基・長岡院
(10月21日~11月12日) 元興寺文化財研究所が発掘調査を行った行基供養の長岡院に関する調査成果を遺物をもとに紹介する。研究所保管の瓦のほか、1981年に奈良大学が菅原遺跡で発掘した小型瓦や鬼瓦、薬師寺行基菩薩坐像(宝暦3年・1753、北川雲長作)ほか、行基ゆかりの竹林寺や大庭寺などの資料、頭塔や円形建物に関する資料も集める。図録あり(64ページ、550円)。
10月24日
興福寺国宝館・北円堂 美術史実習で興福寺へ。国宝館の諸尊像をじっくり拝んでから北円堂の特別開扉(10月21日~11月5日)へ。運慶仏拝観。
10月26日
飛鳥資料館
特別展 川原寺と祈りのかけら
(10月6日~12月10日) 川原寺で仏像調査してから、飛鳥資料館で川原寺裏山遺跡出土の塑像や磚仏鑑賞。7世紀後半創建の伽藍が9世紀に火災にあい、その後被災資料のうち尊像断片類をまとめて板葺神社のある小丘陵に埋納されたもの。昭和49年に関西大学網干善教氏が発掘調査を行い、そのまま同大考古学研究室が保管してきた資料多数と明日香村が保管する資料から、その概要を紹介。著名な、でも鑑賞機会の少ない塑像断片の数々を間近に鑑賞できる貴重な機会。図録あり(52ページ、1000円)。
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