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浜松市美術館「みほとけのキセキⅡ-遠州・三河のしられざる祈り-」鑑賞記

11月3日
浜松市美術館
 みほとけのキセキⅡ-遠州・三河のしられざる祈り-
(10月14日~12月3日)

 同じ主タイトルの前回展示(2021年)に引き続き、静岡県西部と隣接する東三河の古代から近世までの仏像神像を、最新の調査成果を反映して紹介。大宝院廃寺出土の菩薩立像塼仏や遠江国分寺出土の塑像片、定光寺の平安時代後期・等身の千手観音立像、岩室観音堂の巨大な仏頭など優美な中央風の作例、普門寺阿弥陀如来坐像や熊野神社不動明王立像など堅実な鎌倉時代前期作例、神像研究上に重要な府八幡神社の11世紀の早いころの僧形八幡神坐像と女神坐像、像内に延慶三年(1310)銘を有する林慶寺大日如来坐像、宝林寺の康祐作黄檗様四天王立像など、当地の仏教文化の諸相を一望できる貴重な機会。今回の展示には間に合わなかったものの像内に仁治3年(1242)造像銘を有する玖延寺薬師如来立像を一日造立仏とみなせることについて、速報的にパネル紹介する。前回展に引き続きほとんどの作例が写真撮影可とした英断も、所蔵寺社との高い信頼関係を構築していることの現れ。子ども向けサブキャプションほか鑑賞支援も充実していて、新時代の仏像展示の理想的なカタチ。図録あり(112ページ)。担当島口直哉学芸員の総論・論考5本(!)掲載。

応賀寺
 湖西市の応賀寺が開創1300年記念大法会の当日であることを島口さんに教えてもらって駆けつけ。ご高配を得て開帳されていた秘仏本尊薬師如来坐像(鎌倉時代)と四天王立像(平安時代)をご拝観。宝物館の阿弥陀如来坐像(平安時代)、文永七年(1270)の毘沙門天立像と像内納入品ほかをありがたく拝観。
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大河内智之

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「観仏三昧」の主催者です。
仏像の研究者です。
奈良大学の教員だったりもします。

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