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熊野本宮大社宝物殿「時宗と熊野」鑑賞記

10月25日、紀北から紀南まで駆け巡ってお仕事。最後に本宮大社で時宗本山遊行寺の名宝にまみえる。

熊野本宮大社宝物殿
 御創建二千五十年奉祝式年記念特別展 時宗と熊野
(前期8月5日~9月25日・後期9月30日~11月11日)

 熊野本宮大社では崇神天皇65年を起点とした奉祝行事中。宝物殿では時宗と熊野の深いつながりを踏まえ、神奈川・遊行寺(清浄光寺)の寺宝を紹介。一遍所持の持蓮華、一遍筆の名号、一遍自筆の一期不断念仏結番(弘安元年〔1278〕)、名号と並び描かれる一遍上人像(神奈川県指定)、熊野大権現神輿などなど、遊行寺の「聖遺物」ともいうべき重宝が並ぶ。一遍上人縁起絵巻(神奈川県指定)の初期作例である遊行寺本は、巻一の本宮社殿前で山伏姿の熊野権現に一遍が諭され宗教的確信を得る熊野成道の重要場面を展示して熊野とのつながりを明示し、ほか熊野三所権現を描き込んだ西国三十三所観音像も地域性のある資料。近隣の世界遺産熊野本宮館会場では、展示資料を高精細な拡大パネルにして展示。図録なし。
 拝観後、往昔の宗教的景観を思い描きながら大斎原を参拝。河原に降りて熊野川を眺める。

高野山霊宝館企画展「“香り”の荘厳」鑑賞記

10月22日、秋めく高野山で展覧会鑑賞。

高野山霊宝館
 企画展 “香り”の荘厳
(10月13日~1月14日)

 高野山に伝来する名品・稀品で、仏と儀礼の場を荘厳する“香り”を可視化した意欲的な展示。香炉が描かれる蓮華三昧院阿弥陀三尊像(国宝、前期)、壇木を用いた諸尊仏龕(国宝)、普門院釈迦如来及び諸尊像(重文)、竜光院蓮華形柄香炉(重文)などの名品から、天文12年銘のある香木沈香、寛文4年銘のある赤栴檀木片、桃園天皇遺品の香盆并香具といった稀品が並ぶ。不断経用の大きな香木をそびえ立てた青磁大香炉は、元文元年(1736)の寄進名があることから制作時期もそのころとするが、中国・元時代の作品のよう。本館紫雲殿では、正智院釈迦三尊十六羅漢像は、大画面の中央に釈迦三尊像、周囲に16の区画を設けて十六羅漢を描くもので、明~清時代とされるが、鎌倉時代前期ごろの類品の少ない新資料。高麗仏画では至正10年(1350)銘の五坊寂静院弥勒下生変相図、近世絵画では伝曽我二直庵筆鶏図屏風、海北友松筆周茂叔愛蓮図、近代絵画では親王院岩田正巳筆高野草創図「大師・明神」など見どころいっぱい。香りの体験として、五香(白檀・沈香・丁字・鬱金・龍脳)の嗅ぎ比べもできる。白檀や丁字のすかっとした香りに比べ、龍脳の湿ったような香りにくらくらする。図録なし。

中之島香雪美術館「珠玉の村山コレクション-愛し、守り、伝えた- Ⅳ.ほとけの世界にたゆたう」鑑賞記

10月21日、今春開館した中之島香雪美術館を、ようやく初訪問。

中之島香雪美術館
 珠玉の村山コレクション-愛し、守り、伝えた- Ⅳ.ほとけの世界にたゆたう
(10月6日~12月2日)

大阪中之島にオープンした新たな美術館の、1年間にわたる開館記念展の第4期、朝日新聞創業者村山龍平の仏教美術コレクションを展示。平安時代前期の薬師如来立像(重文)、稚児観音絵巻(重文)、永禄2年に高野山西院・報恩院来義が寄進した旨を裏書きする阿弥陀二十五菩薩来迎図、独尊の釈迦金輪像など。不動明王八大童子像と阿弥陀如来・観音菩薩・地蔵菩薩像については、明治24年に宮内省臨時全国取調局が発行した監査状が付随することも紹介。図録あり(254ページ、2500円)。所収論考2編(臼倉恒助「新聞人と収集家がクロスする時」、勝盛典子「村山コレクション形成の軌跡を追って」)は村山が庇護した雑誌『國華』、そして朝日新聞紙面の記事を足がかりに、明治時代の収集家による古美術保護へのまなざしを浮かび上がらせるもので有益。

大津市歴博「神仏のかたち」、京博「京のかたな」、福岡市博「浄土九州」、九博「オークラコレクション」鑑賞記

自館の特別展開幕後、代休取って見るべき展示を見る。

10月16日
大津市歴史博物館
 湖信会設立60周年記念企画展 神仏のかたち-湖都大津の仏像と神像-
(10月13日~11月25日)

 大津市内の十社寺によって組織される湖信会60周年記念として、各社寺及び関連寺院所蔵の仏像・神像・仏画を、尊像の種類別に集めて紹介する。石山寺大日如来坐像(快慶作)や西教寺薬師如来坐像といった著名な作例とともに、聖衆来迎寺の愛染明王坐像や吉祥天立像など、近年の同館の調査によって見いだされた新出資料も多数。作品に付せられた各作例の特徴を的確に伝えるパネル(図録にも掲載)は、仏教美術を親しみやすく、またより深く鑑賞するための視点を提供する丁寧なもの。図録あり(144ページ、1200円)。

京都国立博物館
 特別展 京のかたな-匠のわざと雅のこころ-
(9月29日~11月25日)

 平安時代後期から現代までの山城鍛冶の作刀の歴史を、三日月宗近(東博・国宝)、後藤藤四郎(徳川美・国宝)、有楽頼国光(個人・国宝)、圧切長谷部(福岡市博・国宝)などなど、数々の名物を含む177口(展示替えあり)の刀剣(太刀・刀・脇差・短刀・剣・鑓・薙刀)によって凝縮して伝える意欲的な展示。刀剣ブームの中であえて総花的な内容にはせず、地域を絞った緻密で重厚な刀剣史叙述に徹していて好感。一方本館(明治古都館)のイベント展示は熱量不足。図録あり(276ページ、2600円)。

10月17日
福岡市博物館
 特別展 浄土九州-九州の浄土美術- 
(9月15日~11月4日)

 九州における浄土(阿弥陀)信仰の所産を、地獄・極楽の対比を導入にして、鎮西上人弁長による浄土宗の教線拡張、来迎美術の諸相、真宗寺院萬行寺の調査成果報告から構成して紹介。肥後国川尻荘の満善寺から禅林寺に伝来した正安4年(1302)制作の當麻曼荼羅(重文)、福岡・萬行寺の仁治3年(1242)快成作阿弥陀如来立像、事前調査で像内より承久4年(1222)仏師琳賢銘のある納入品が取り出された佐賀・弥福寺阿弥陀如来立像のほか、佐賀・称念寺、福岡・玉樹院、鹿児島・光明禅寺といった、歯吹き・螺髪植え付け・仏足文表現に伴う銅製棒枘などを伴う生身像も集める。九州全体を俯瞰した仏教美術研究の最前線に接する貴重な機会。図録あり(240ページ、2500円)。
 
九州国立博物館
 特別展 オークラコレクション-古今の美を収集した父子の夢- 
(10月2日~12月9日)

 大倉集古館改修中の機会に、オークラコレクションの精華を紹介。類品の少ない十六羅漢像、普賢菩薩騎象像(国宝)、古今和歌集(国宝)、高麗時代の乾漆菩薩坐像など鑑賞。図録あり(256ページ、2400円)。実業家による広汎な美術品収集とコレクション形成のようすが整理されていて参考になる。
 また文化交流展示室の特集展示「坂本五郎コレクション受贈記念 北斎と鍋島、そして」は古美術商のコレクション寄贈を受けた展示であるが、特別展とも一部資料を連携させ、全体として個人コレクションに脚光を当てる構成とする。
 近現代期の古美術コレクション形成には正負両面の歴史があるが、歴史の断絶(伝来情報の喪失)を収集者のパーソナリティーによって上書きし正当化することではない、現代社会において共有すべき知見へと昇華する工夫は、公立館の場合特に考え続けないといけない課題。

愛荘町立歴史文化博物館・多賀町立博物館「仏師の世界」、櫟野寺「秘仏本尊十一面観世音菩薩大開帳」鑑賞記

10月13日、企画展の片付けと特別展のオープンが間に合って、ほっと一息。リフレッシュのため湖東から甲賀へと足を伸ばす。

愛荘町立歴史文化博物館・多賀町立博物館
 仏師の世界-文化財修理にかける心
(9月8日~10月14日)

 愛荘町と多賀町の2会場でテーマを揃え、美術院で活躍した仏師飯田雅彦氏の仕事を中心に、文化財修理の意義や実際を紹介。愛荘町会場は「文化財修理に携わる仏師」として飯田氏の生涯とその道具を紹介、多賀町会場では「木を刻む」として道具類とともに木材の樹種等を紹介。愛荘町会場に飯田氏が修理した五百井神社男神坐像と獅子・狛犬、多賀町会場に近隣の胡宮神社との関わりで重源上人坐像模刻を展示。元琵琶湖文化館学芸員の井上ひろ美氏の監修。滋賀における新しい展示作製のあり方であり、開催の経緯や対象の選定理由も今後知りたいところ。図録あり(16ページ、500円)。見学後、多賀大社にもご参拝。

櫟野寺
 日本最大坐仏観音秘仏本尊十一面観世音菩薩大開帳
(10月6日~12月9日)

 櫟野寺本尊十一面観音坐像の33年に一度の大開帳に結縁。先年の東博での展示はこれに合わせた本堂改修に伴うもの。ずらり並ぶ仏像群には東博キャプションを再利用。展示されていなかった平安時代の僧形神坐像も並ぶ。檀家・役員総出で拝観者対応されており祝祭感あり。拝観後、甲賀総社の油日神社も参拝。

多摩美術大学美術館「神仏人 心願の地」、三井記念美術館「仏像の姿」鑑賞記

10月4日、担当企画展最終日ながら、急な出張で東京へ。用務の前後に展覧会鑑賞。

多摩美術大学美術館
 加東市×多摩美特別展 神仏人 心願の地
(9月1日~10月14日)

 加東市内に所在する主に宗教文化に関わる文化財を東京で紹介。清水寺の銅造菩薩立像(重文)、秘仏本尊厨子内安置の毘沙門天立像、朝光寺の秘仏本尊千手観音立像(重文、東本尊)、独特な風貌の翁面のほか、東古瀬地区の地蔵菩薩立像、花蔵院釈迦十六善神像、持宝院熊野観心十界図など、拝観・鑑賞の機会の限られる資料多数で貴重な機会。清水寺の大日如来坐像(五智如来坐像のうち)は、髻に毛束で表した花形飾りや、背面腰帯の横皺の表現、正中で左右矧ぎとする構造など、平安時代末期の奈良仏師作例と見られるもの。光背・台座も古様なところがある。各作例の年代比定には検討が必要なものもあるが(偉そうにごめんなさい)、この機会でなければ見られず、知ることのなかった作例に出会えたことの幸せ。図録あり(184ページ、2500円)。

三井記念美術館
 特別展 仏像の姿-微笑む・飾る・踊る-
(9月15日~11月25日)

 仏像の顔・装飾・動きに着眼し、造像に携わった仏師の感覚や技量を実作例を通じて共感的に鑑賞する試み。四天王寺阿弥陀如来及び両脇侍像(重文)、聖衆来迎寺薬師如来立像(重文)、誓願寺毘沙門天立像(重文)といった教科書的な名品とともに、鑑賞機会の少ない個人所蔵資料を積極的に集めて、バラエティに富んだ顔ぶれの出陳品群を形成する。かたちの面白さとともに、素材としての木の聖性にも目配りしていて、瀬古区十一面観音立像(重文)、長円寺十一面観音立像(重文)、本山寺観音菩薩立像(重文)、個人蔵の観音菩薩立像、個人蔵弥勒菩薩立像、四天王寺十一面観音立像と、檀像の系譜をたどるような見方も可能。東京藝術大学文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室による模刻像や修復作例も紹介。図録あり(108ページ、2000円)。

和歌山市立博物館「お殿様の宝箱 南葵文庫と紀州徳川家伝来の美術」鑑賞記

9月28日、出張帰りに用事で立ち寄り、満を持して鑑賞。

和歌山市立博物館
 特別展 お殿様の宝箱 南葵文庫と紀州徳川家伝来の美術
(9月15日~10月21日)

 かつて紀州徳川家に伝来した数々の資料を、南葵文庫旧蔵品・南葵音楽文庫旧蔵品・紀州徳川家売立品の枠組みから集約する。紀州徳川家の赤坂邸内に設置された南葵文庫は、関東大震災により焼失した東京帝国大学図書館にその蔵書が引き継がれ、多くが現存する。南葵音楽文庫の資料は読売日本交響楽団に引き継がれ現在和歌山県博寄託。そして3度の売立により散逸した紀州徳川家伝来品は、さまざまな所蔵者の元に散らばって収蔵される。売立品が集約されるのはこれが初めての機会で、鹿苑寺の伝牧谿江天暮雪図(~9/30)、岡山県立美術館の牧谿筆老師図(10/2~)、個人蔵仇英筆山水人物図巻、たばこと塩の博物館収蔵(大蔵省専売局旧蔵)のたばこ盆4組、徳川治宝が収集し現在国立歴史民俗博物館所蔵の雅楽器(笙・龍笛・琵琶)など、優品が集まって絢爛豪華。江雪左文字(国宝・太刀銘筑州住左)はパネルで紹介。
 重要なのは最後に、南葵文庫を創立した徳川頼倫、南葵楽堂・音楽文庫を創立した徳川頼貞の社会事業についても、家財を費やしたミュージアム事業への先鞭と史跡名勝天然記念物保存協会の運営、そして芸術家をサポートした芸術文化支援事業として顕彰する視点を設定したことで、それらを現代につながる文化事業の先駆けとして肯定的に位置づけながら、高邁な諸事業による家産の破綻が売立にいたった経過をも如実に示していることである。一見、紀州徳川家の名宝展であっても、紀州徳川家の家産の整理から散逸にいたる近代史を展示室内全体で見事に立ち上げて、現代のミュージアムやライブラリー、文化財保護行政を巡る問題に接点を設けた重厚な内容となっているのは担当者の力量。図録あり(94ページ、1000円)。

和歌山市立博物館ウェブサイト

東寺宝物館「東寺の如来・祖師像」、泉屋博古館「仏教美術の名宝」、京都市歴史資料館「京都市の文化財」鑑賞記

9月22日、京都での用事の前後に展覧会鑑賞。

東寺宝物館
 東寺の如来・祖師像-悟りと祈りのかたち-
(9月20日~11月25日)

 寺蔵の如来像・祖師像を選んで展示。真言七祖像(国宝・唐時代・李真ら筆)のうち一行像(後期は不空像)が出陳。密教相承の歴史が凝縮する奇跡の巨幅を拝み見る。空海弟子を描いた和八祖像(南北朝時代)は真雅・源仁・観賢・淳祐を展示。十大弟子像とは異なるまとまりがあることを知る。ほか弘法大師像(談義本尊・重文・鎌倉時代)のほか、不空三蔵行状(南北朝時代)は類本中最古の写本。リーフレットあり(12ページ、無料)。
東寺宝物館ウェブサイト

泉屋博古館
 特別展 仏教美術の名宝
(9月8日~10月14日)

 館蔵品を軸にアジアの仏教美術を概ね中国・朝鮮半島の金銅仏、日本の木彫仏、仏画から紹介。優れた作行を示す新出の朝鮮・三国時代の作例として注目される妙傳寺の菩薩半跏思惟像(伝如意輪観音像)は地元京都で初披露ということで、展示室前ロビーに伝来した八瀬の地域的な説明も含めて紹介。江戸時代初期の同寺創建以来、八瀬童子が400年守った半跏像、というフレーズはとても魅力的。ほか、大和2年(498)銘弥勒仏立像、大治5年(1130)銘阿弥陀如来坐像(伝河内国井深西恩寺伝来)、修理完成後初披露の毘沙門天立像(平安時代)、国宝・線刻仏諸尊鏡像(平安時代)など。図録あり(A5版・42ページ、600円)。
泉屋博古館ウェブサイト

京都市歴史資料館
 企画展 京都市の文化財-新指定の文化財と明治の建物-
(前期9月21日~10月7日 後期10月10日~10月30日)

 近年京都市指定文化財に指定された優品を紹介。祇園祭の保昌山の胴懸下絵である円山応挙の巨霊人虎図(後期は張騫鳳凰図)の生き生きとした筆致に嘆息。安永2年(1773)ごろ作。綾傘鉾の巡柱で用いられた飛出と癋見は宝永5年(1708)銘あり。善峯寺の色絵牡丹唐草透彫七宝繋文六角壺は享保17年(1732)に霊元天皇妃敬法門院寄進。古清水の基準となる華麗な作品。ほか後期展示では、立本寺の文永10年(1273)覚円作金剛力士像面部残欠が出陳。明治時代の建造物の詳細な紹介もあり。リーフレットあり(8ページ、無料)。見学後、近くの革堂行願寺にも参拝。
京都市歴史資料館ウェブサイト

奈良博「糸のみほとけ」(再訪)、高野山霊宝館「“もののふ”と高野山」鑑賞記

8月16日、休みを取って奈良で用事を済ませてから、時間があったので奈良博へ走る。
奈良国立博物館
修理完成記念特別展 糸のみほとけ-国宝 綴織當麻曼荼羅と繍仏-
(7月14日~8月26日)

 再訪。古代の大画面作品、中世の来迎図ワールドを見納め。勧修寺繍帳の立体絵画っぷり、中世の追善作例の表具裂をも刺繡する徹底した荘厳の姿勢に嘆息。布帛を加飾するための基本的な技法が、尊像表現に用いられるとにわかに「作善」の意味が立ち上がることが興味深い。本展をリスペクトして、直近の担当企画展「和歌山の文化財を守る」でも心窓常圓の繍仏を参考出陳することにする。図録あり(320ページ、2500円)。

8月18日 週休日ながら休んでる場合でないので昼過ぎまで仕事してから高野山へ。胡麻豆腐買ってから霊宝館へ。
高野山霊宝館
第39回大宝蔵展 高野山の名宝-“もののふ”と高野山-
(7月14日~10月8日)

 師檀契約を結ぶ高野山上の子院の伝来品を中心に、武士にまつわる資料を紹介。肖像では、豊臣秀吉像(金剛峯寺)、木食応其像(蓮華定院)、武田信玄像(成慶院)、長尾景虎(上杉謙信)像(清浄心院)、北条早雲像(高室院)、立花宗茂像(大円院)、浅井久政・長政・長政夫人像(持明院)、真田昌幸・信繁像(蓮華定院)など。ほか、等身大の束帯坐像(金剛峯寺)は、徳川家康像の可能性が高いもの。国宝・五大力菩薩像(有志八幡講)も公開中。図録なし。

東大寺本坊「東京藝術大学が育む文化財保護の若き担い手達展」鑑賞記

8月6日、夏休みの子を連れて、東大寺大仏殿で慰霊と平和祈念ののち、鹿と世界の人々の間を縫いながら本坊へ。

東大寺本坊
 東京藝術大学が育む文化財保護の若き担い手達展
(7月27日~8月7日)

 東京藝術大学文化財保存学専攻保存修復彫刻研究室の院生が、研究のため模刻・修理した仏像を、研究内容の詳細パネルとともに紹介。模刻による原像製作者の追体験を通じて体験的に得られた技法、構造の工夫やノミさばきなどの特徴を、理論として叙述する大切な取り組み。東京芸大所蔵の日光菩薩坐像など、目を凝らしても本物かと見紛う出来映え。東大寺中性院の弥勒菩薩立像の構造模型、その複雑さが一目で分かり、有益。修理が行われた個人所蔵の鎌倉時代の阿弥陀如来立象も展示。このたび同研究室によって新造された磐梯山慧日寺の薬師如来坐像についても、仕上げ検討用の縮尺像とともにパネルでその製作過程を紹介。同研究室の毎年の活動を紹介した分厚い年報は、寄付金の納付により入手可能。

Appendix

プロフィール

大河内智之

Author:大河内智之
「観仏三昧」の主催者です。
和歌山県立博物館の学芸員です。
仏像の研究者だったりもします。

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